第2場面/ 全10場面
最後の場面です
全10場面のうち第2場面。最後の場面です
第1場面 / 全10場面
午前三時、冷たい蛍光灯の下でホットラインが鳴り響く。複数の急患を乗せたストレッチャーが同時に滑り込んでくる。今夜このフロアで、すべての命の行き先を決めるのはあなた一人だ。乾いたゴム手袋を引き裂くように嵌め、処置室の自動ドアを見据える。
自動ドアがけたたましい警告音とともに左右に開き、救急隊員たちの怒号が処置室の静寂を切り裂いた。滑り込んできた二台のストレッチャー。一人は胸部挫傷とショック状態に陥った中年男性、もう一人は頭部外傷から意識消失をきたした若い女性だった。バイタルモニターが乱暴に警報を打ち鳴らす中、当直医の槙野は手袋を握りしめたまま一瞬足を止めていた。 矢島:「受入は初療室の二床のみです! 外科のオンコールは到着まで最短三十分、人工呼吸器の空きは一台しかありません!」 矢島師長が搬入記録を叩きつけながら叫ぶ。槙野は蒼白な顔で二台の担架を交互に見つめ、息を詰まらせた。 槙野:「ど、どちらから行きますか……!? 二人とも血圧低下が止まりません……!」 誰が先か。どちらを初療の主ベッドに乗せ、唯一の呼吸器をどちらに繋ぐのか。冷酷な秒針の音とともに、処置室内の全視線が当直責任者の瀬川へと集まっていた。
話し合って決めたこと
瀬川医師は、一台しかない人工呼吸器を頭部外傷を
耳をつんざくモニターアラームの中、瀬川は迷うことなくストレッチャーの左側を指し示した。 瀬川 晃:「呼吸器は女性に回す。私が初療に入る。矢島師長、直ちにセダクションの準備を」 矢島 涼子:「了解、挿管キット展開します!」 矢島が敏捷にワゴンを引き寄せる横で、取り残された右側のストレッチャーから血圧低下を告げる鋭い警告音が鳴り響いた。中年男性の呼吸音は右胸で完全に減弱している。 槙野 瞬:「血圧が七十を切りました……! 呼吸器なしでテンション・ニューモ(緊張性気胸)の脱気、僕だけでやるんですか……!?」 瀬川 晃:「槙野、怯むな。外套針で右第2肋間から直ちに胸腔穿刺しろ。お前なら持たせられる。外科が来るまで胸を保たせろ」 瀬川の揺るぎない声に弾かれたように、槙野は震える手で穿刺針を握り直した。だが女性患者の瞳孔不同が急速に進行し、頭部外傷の容態も一刻の猶予を許さない事態へと突入していた。
前の場面では —— 瀬川医師は、一台しかない人工呼吸器を頭部外傷を
物語が終わりました。ここまでの場面を、語りと台詞の入った1本にまとめられます。
AI DIRECTOR
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